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山村暮鸟童话集《散散的完满》选译

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发表于 2014-7-17 20:09 | 只看该作者 回帖奖励 |倒序浏览 |阅读模式
《海的传说》

一户农村的穷苦人家,虽穷,却亲切友善。今年燕子照例在他们家门楣上筑了一个巢,哺了四五只雏。

这一天,从早上开始就下起雨来。

巢里面,母燕把头深埋在胸前的毛羽间,似睡非睡闭着眼。一个小家伙因担心而问道“妈妈你在做什么,你怎么了?”

“什么也没做。妈妈呀,正在想事儿。”

这一下,另外的一个又问了:“想的什么呢?”

“那个……啊、怎么说好呢。如果你们快快长大,在这个地区冷冷的风还未吹来,雪还未下下的时候,就能飞回去遥远又遥远的故乡。回去那迢迢的故乡的家,那就、必须要经历长长的旅途。是那样的,如果有森林树木的话还不算太坏,但是,是必须要飞过、劳累了也不能收拢羽翼,腹中空空也无以为食,无边无涯无遮无拦的大海。即使没日没夜飞,不花上七天十天都无法穿越呀。”

“妈呀,”小家伙们听到这些都吃了一惊。

“所以呀,羽翼嫰弱、身体不强壮的,都会在途中可怜地坠海死去。”

“帮他就好了。”性急的抢嘴说。

“可是,帮不了的。因为每个人的事,只有他自己能做,因为每个人,都在拼命。要帮别人的话自己也将难免一死。会无济于事呀。真的,那样的场合,帮助和被帮助都不能。完全是薄情的自己。只是自己。除此无他啊。知道吗。”

“可是,如果妈妈您飞不动的话,我,死去也无妨,我会帮您。”

“是吗,谢谢!不过,当平安越过那苍茫茫的大海,再从陆地深切回望它的时候,那样的心情……只有那一刻,似乎就能忘却了不知何时失去的亲友,而松下一口气来。啊,那样的喜悦……”

“嗯”

“嗯”

“嗯”

小小的嘴们一齐回答。母燕不禁一把将他们抱紧“多可爱!”





《还活着的鲈鱼》

有个人,一大清早起就在海边甩抛竿钓鱼。怎么着也钓不上一条来,正想着是不是算了、是不是算了的时候,一条大家伙上钩了。

是鲈鱼。[译注:鲈科海水鱼]

可是也不见得那个人有多高兴。他急急忙忙拎着鱼,起身要回去。

这时那条鲈鱼突然开口说:“小哥,你要带我去哪里?”

鲈鱼还活着。

“呃!带去给母亲。母亲如今稍染了些病气。”口里是这样说,心里却“抱歉、抱歉”地,里面有一双手不住地在合十。

鱼说:“反正也是要被吃,有如此孝心的人,能入他母亲之口,也是幸事。”于是高高兴兴怀了就死的心,闭了眼,再也没睁开。





《荚中豆》

豆荚里有五粒豆。五粒豆亲密无间。今天呢,也是和和美美在一起说话。

“已经离出去的日子越来越近了啊。”

“不知道是怎样美丽的呢——世界。”

“真想早点看看呀。”

“就是到了外面,也不要忘记这一处,相互同在此一荚中长大,要继续友善呀。”

“嗯。”

某一天的午后。“啪奇—”奇怪的一声响后,豆荚爆开了。豆子们捂着耳朵滚到地上。

然后,它们就各分东西了。





《鸽子的回答》
鸽子肚子瘪瘪的,是早上,它突然看见一只飞蚁。立马就从屋头上飞落到庭院,将飞蚁捉了,急忙忙地要用它的尖喙啄将去。

“等等!”飞蚁说到。

“有事吗?”

“是的。”

“什么事儿呢。我且听了,倒是说来看看。”

飞蚁在鸽爪下痛得难受,艰难却毅然决然说:“那个……据说在人世间,是将你,当作爱的天使、和平的象征来着。”

“怎样呢?”

“那么,你如今,却为何要取我这无辜者的性命?”

“然后呢?”

“那是无视天条。”

“这样啊,可能也算是。但是我饿,所以要吃。这便是自然。也是权利。”

“呃!”

“用不着那样吃惊。这便是,万物活在这世上的保证。”



《吵嘴》
南瓜和甜瓜,在一块地里长大,从下种时就在一起了。虽是这样,关系却大大的不好。
两个一天天长大了,如今都到了惹人注目的光景。

这一天,疯丫头甜瓜对着南瓜恶语相加:“哟,对面的那个疤痘脸可真年轻呀,哦呵呵呵,是让什么东东给这样的堵住了呢,差不多就算了罢,怎么想,怎么丑!单单先凭那张脸,就神马也成不了。”

听了这话的南瓜气得忍无可忍,把个石头样的老拳挥起来要打将下去,只是被藤蔓缠住了脚,想动,也动弹不了。懊恼使得它丑鬼般的脸,越发像丑鬼一样丑,而且变得通红了。身体哆哆嗦嗦抖着,想说什么又说不出,口里只是“唔木木、唔木木”的闷声不止。

良久,才结结巴巴回骂道:“听你现在这么说,你个土老娘们!……就说您还是花的那会儿……如何呢!那小气巴巴、蔫了似的花,就那样,俺们不也啥都没说过么……您如今倒是把自己的事儿忘得干干净净,难道也不懂得羞耻什么的么?” 南瓜上言不接下语地大喘着粗气。

这期间,甜瓜躲在瓜叶下,一直吃吃笑吃吃笑。

可是南瓜呢,懊恼得、懊恼得实在无法忍受。晚上等大家伙都安静入睡了,它把脸颊擦在地面上,一边怨恨着造物神的不公,一边流下了男人的眼泪。





《蟋蟀》 [译注1]

虫子里面算得上聪明的,就数蟋蟀了。这些日子,整天整天,有时候是整夜,有月亮的晚上,蟋蟀母女俩便借着月亮光星光,一刻不停在织机上劳作,直到露水深浓地落下来。
妈妈因为是妈妈,“各——伊克、各——伊克”织起布来不慌不忙。

性急的女儿呢,“各琼、各琼、各、各琼”听起来可真是忙得不可开交。

田野里,桔梗、黄花败酱盛开。是乱纷纷的美丽世界。

在那草叶的叶阴里,“各——伊克、吧答哩”、“各琼。各琼。”

这天,从森林那边蹒跚爬过来一匹有气无力的蝉[译注2],翅膀已经破烂,完全飞不起来了。它一见了蟋蟀,就说:

“每天每天,啊,您每天劳作不休呀。”

“是啊,可是无济于事。远远的山头上,已经在下雪了呢。”

“是呀,早晚很明显地变冷了啊。”

“您为入冬准备得如何了呢?”

“冬天来之前,还必须要请蚂蚁多多关照。”

“呃、此话……?”

“是‘必须’这话,不可思议吧。哎、哎、太阳也隐到山后面去了,您也早点歇了吧。”

旱稻田的田埂上,一边蹒跚一边“空、空”咳嗽的蝉,是要到哪里去呢?夏日,尽情享受流金的壮丽的夕照、这独唱的名角,用银铃样的嗓音尽情地、不停地唱,飞过天空的鸟也收拢翅膀来听、啊,这就是那夕阳下的森林里著名的、年轻女乐师的末路下场么!

母女俩互相对视了一下,好像因了那份孤寂,谁也没有说什么。直到蝉的背影完全消失。然后,她们又急急地、目不斜视地织起来。

“各——伊克、吧答哩”

“各琼。各琼。”



[译注1]蟋蟀的日语古名叫做“机织虫”。

[译注2]原文中日语汉字为虫字旁+車,为不可识汉字。暂且译作“蝉”。



   

《鹦鹉》

有个地方有一对手脚不太干净的夫妇。他们因为没有孩子,所以养了一只鹦鹉当孩子来宠爱。

鹦鹉学说人话,不管谁的话它都学。

只要有谁说:“早上好!”鹦鹉也说:“早上好!”到了晚上掌灯的时候,要是谁对它说:“晚上好!”鹦鹉也会说:“晚上好!”

鹦鹉真是讨人喜欢。

这天,家里来了客。

鹦鹉对客人说:“老公你就一根白瓜,就这么点儿。”客人不解道:“呃?”鹦鹉又说:“不管怎样,我倒是和服料子三匹。”

什么对什么呀,客人一头雾水。这时,客人的妻子正好端着茶水出来,把这话说与她一听,“咦、说的不是昨晚被盗贼偷走的东西吗?”

客人一回去,鹦鹉就狠狠被训斥道“你!你怎么这么混蛋!就算不小心也不能把秘密说出去了!”鹦鹉被训得慌了神,可能因为学舌又学得不好,觉得自己完蛋了,之后就不停地胡言乱语。越骂还越说。

“嗯、昨晚、小偷……怎么这么混蛋!……白瓜一根、和服料子三匹……不小心也不能说出秘密!”

那夫妇没办法,于是把鹦鹉带去花鸟店卖了。可是正因为这样,他们的好运到了头。因为鹦鹉嘴里说出来的话,最终,他们俩被捉了、被投进了黑黑的牢狱里去了。




附原文:

海の話
 或(あ)る農村(のうそん)にびんぼうなお百姓(ひやくせう)がありました。びんぼうでしたが深切(しんせつ)で仲(なか)の善(よ)い、家族(かぞく)でした。そこの鴨居(かもゐ)にことしも燕(つばめ)が巣(す)をつくつてそして四五羽(は)の雛(ひな)をそだててゐました。

その日(ひ)は朝(あさ)から雨(あめ)がふつてゐました。
 巣(す)の中(なか)で、胸毛(むなげ)にふかく頸(くび)をうづめた母燕(おやつばめ)が眠(ねむ)るでもなく目(め)をつぶつてじつとしてゐると雛(ひな)の一つがたづねました。
「母(かあ)ちやん、何(なに)してるの。え、どうしたの」
 と、しんぱいして。
「どうもしやしません。母(かあ)ちやんはね。いま考(かんが)え事(ごと)をしてゐたの」
 すると、他(ほか)の雛(ひな)が
「かんがえごとつて何(なあに)」
「それはね……さあ、何(なん)と言(ゆ)つたらいいでせう。あんた達(たち)がはやく大(おほ)きくなると、此(こ)の國(くに)にさむいさむい風(かぜ)が吹(ふ)いたり、雪(ゆき)がふつたりしないうちに遠(とほ)い遠(とほ)い故郷(こきやう)のお家(うち)へかえるのよ。そして遠(とほ)い遠(とほ)いその故郷(こきやう)のお家(うち)へかえるには、それはそれは長(なが)い旅(たび)をしなければならないの。それがね、森(もり)や林(はやし)のあるところならよいが、疲(つか)れても翼(はね)をやすめることもできず、お腹(なか)が空(す)いても何(なに)一つ食(た)べるものもない、ひろいひろい、それは大(おほ)きな、毎日(まいにち)毎晩(まいばん)、夜(よる)も晝(ひる)も翅(か)けつづけで七日(か)も十日(か)もかからなければ越(こ)せない大(おほ)きな海(うみ)の上(うへ)をゆくのよ」
「まあ」と、それを聽(き)いて雛(ひな)達(たち)はおどろきました。
「それだからね、翼(はね)の弱(よわ)いものや體(からだ)の壯健(たつしや)でないものは、みんな途中(とちう)で、かわいさうに海(うみ)に落(お)ちて死(し)んでしまふのよ」
 氣速(きばや)なのが
「たすけたらいい」と横鎗(よこやり)をいれました。
「ところがね、それが出來(でき)ないの。なぜつて、誰(だれ)も彼(かれ)も自分(じぶん)獨(ひと)りがやつとなのよ。みんな一生懸命(いつしやうけんめい)ですもの。ひとを助(たす)けやうとすれば自分(じぶん)もともども死(し)んでしまはねばならない。それでは何(なん)にもならないでせう。ほんとに其處(そこ)では助(たす)けることも助(たす)けられることもできない。まつたく薄情(はくじやう)のやうだが自分々々(じぶん/″\)です。自分(じぶん)だけです。それ外(ほか)無(な)いのさ、ね」
「でも、もし母(かあ)ちやんが飛(と)べなくなつたら、僕(ぼく)、死(し)んでもいい、たすけてあげる」
「そうかい、ありがとう。だけどね、またその蒼々(あを/\)とした大(おほ)きな海(うみ)を無事(ぶじ)にわたり切(き)つて、陸(をか)からふりかへつてその海(うみ)を沁々(しみ/″\)眺(なが)める、あの氣持(きもち)つたら……あの時(とき)ばかりは何時(いつ)の間(ま)にかゐなくなつてゐる友達(ともだち)や親族(みうち)もわすれて、ほつとする。ああ、あの嬉(うれ)しさ……」
「はやく行(い)つて見(み)たいなあ」
「わたしもよ、ね、母(かあ)ちやん」
「ええ、ええ。誰(だれ)もおいては行(ゆ)きません。ひとり殘(のこ)らず行(ゆ)くのです。でもね、いいですか、それまでに大(おほ)きくそして立派(りつぱ)に育(そだ)つことですよ。壯健(たつしや)な體(からだ)と強(つよ)い翼(はね)! わかつて」

「ええ」
「ええ」
「ええ」
 と小(ちい)さい嘴(くち)が一齊(せい)にこたへました。母燕(おやつばめ)はたまらなくなつて、みんな一しよに抱(だ)きしめながら
「何(なん)てまあ可愛(かあい)んだろ」




まだ生きてゐる鱸
 朝早(あさはや)く、磯(いそ)で投釣(なげづ)りをしてゐる人(ひと)がありました。なかなか掛(かゝ)らないので、もうやめよう、もうやめようとおもつてゐました。と一尾(ぴき)大(おほ)きな奴(やつ)がかかりました。
 鱸(すゞき)でした。
 その人(ひと)のよろこびつたらありませんでした。急(いそ)いで、それをぶらさげて歸(かへ)らうと立(た)ちあがりました。
 すると鱸(すゞき)が
「にいさん、私(わたし)を何處(どこ)へもつて行(い)くんです」
と聲(こゑ)をかけました。
 まだ生(い)きてゐるのでした。
「えつ! お母(つか)あにさ。お母(つか)あは此頃(このごろ)、すこし病氣(びやうき)してゐるんだ」とは言(ゆ)つたものの、心(こゝろ)の中(なか)では「すまない、すまない」と手(て)をあはせるばかりでありました。
 魚(さかな)は
「どうせ食(た)べられるなら、こんな孝行者(かうこうもの)の親(おや)の口(くち)にはいるのは幸福(しあはせ)といふもんだ」と、よろこんでその觀念(くわんねん)の目(め)をとぢました。そして二度(ど)と再(ふたゝ)びひらきませんでした。




莢の中の豆
莢(さや)の中(なか)には豆粒(まめつぶ)が五つありました。そして仲(なか)が善(よ)かつたのです。けふもけふとて、むつまじくはなしてゐました。
「もう外(そと)にでる日(ひ)が近(ちか)くなつたやうだね」
「どんなに美(うつく)しいでせう、世界(せかい)は」
「はやくみたいなあ」
「外(そと)にでても、此處(こゝ)で一つの莢(さや)の中(なか)で、かうしてお互(たが)ひに大(おほ)きくなつたことをわすれないで、仲善(なかよ)くしませうね」
「ええ」
 ある日(ひ)の午後(ごゞ)。ぱちツと不思議(ふしぎ)な音(をと)がしました。莢(さや)が裂(さ)けたのです。豆(まめ)は耳(みゝ)をおさえたなり、地(ぢ)べたに轉(ころ)げだしました。
 そしてばらばらになつてしまひました。





鳩はこたへた
 鳩(はと)はお腹(なか)が空(す)いてゐました。朝(あさ)でした。羽蟲(はむし)を一つみつけるがはやいか、すぐ屋根(やね)から庭(には)へ飛(と)びをりて、それを捕(つか)まえました。
 あはや、嘴(くちばし)が近(ちかづ)かうとすると
 羽蟲(はむし)が
「ちよつと待(ま)つて」と言(い)ひました。
「何(なに)か用(よう)かえ」
「ええ」
「どんな用(よう)だえ。聽(き)いてやるがら言(ゆ)つて見(み)たらよからう」
 羽蟲(はむし)はくるしい爪(つめ)の下(した)で、いひ澁(しぶ)つてゐましたが思(おも)ひ切(き)つて
「あのう……世間(せけん)では、あなたのことを愛(あい)の天使(みつかひ)だの、平和(へいわ)の表徴(シンボル)だのつて言(ゆ)つてゐるんです」
「そして」
「それだのにあなたは今(いま)、何(なん)の罪(つみ)もない私(わたし)の生命(いのち)を取(と)らうとしてゐる」
「それから」
「それは無法(むほふ)といふものです」
「なるほど、或(あるひ)はそうかも知(し)れない。けれど自分(じぶん)は飢(う)えてゐる。それだから食(た)べる。これは自然(しぜん)だ、また權利(けんり)だ」
「えつ!」
「何(なに)もそんなにおどろくことはない。それが萬物(ばんぶつ)の生(い)きてゐる證據(しやうこ)さ」

口喧嘩
 南瓜と甜瓜と、おなじ畑にそだちました。種子を蒔かれるのも一しよでした。それでゐて大へん仲が惡かつたのです。
 おたがひに日に々々大きく、いまは人間の眼をひくほどになりました。
 或る日、おてんば娘の甜瓜が、かぼちや[#「かぼちや」に傍点]に毒舌を吐きました。
「よお。おむかうの菊石顏の若だんな。おほゝゝゝ。なにをそんなにお欝ぎなの、大抵で諦めなさいよう。いくらかんがえたつて、みつともない。第一そのお面ぢやはじまらないんだから」
 それをきいたかぼちや[#「かぼちや」に傍点]の怒つたの怒らないのつて、石のやうな拳固をふりあげて飛び懸らうとしましたが、蔓が足にひつ絡まつてゐて動かれない。くやしさに鬼のやうな顏がいよいよ鬼のやうに醜く、まつ赤になりました。ぶるぶると身震ひしながら「うむむ、うむむ」と何か言はうとしても言へないで悶えてゐました。
 そして漸と
「いまだからそんな口もきけるんだ。此の尼つちよめ!……貴樣が花だつた時分ときたらな……どうだい、あの吝嗇くせえ小ぽけな、消えてなくなりさうな花がさ。それでも俺らは何とも言ひやしなかつた……自分のことは棚に上げたなり忘れてしまつて。お前はあれでも耻しいとも何とも思つてはゐなかつたのか」とどもり吃り、つぎはぎだらけの仕返しをして、ほつと呼吸をつきました。
 甜瓜は葉つぱのかげで、その間、絶えずくすくす笑つてゐました。
 けれども南瓜はくやしくつて、くやしくつて、たまらず、その晩、みんなの寢靜まるのを待つて、地べたに頬をすりつけて、造物主の神樣をうらんで男泣きに泣きました。


 機織蟲

 蟲の中でもばつた[#「ばつた」に傍点]は賢い蟲でした。この頃は、日がな一日月のよい晩などは、その月や星のひかりをたよりに夜露のとつぷりをりる夜闌まで、母娘でせつせと機を織つてゐました。
 母は親だけに、叮嚀に
「ギーイコ、バツタリ」と織つてをりますが、性急な娘つ子は、
「ギツチヨン。ギツチヨン。ギ、ギツチヨン」とそれはそれは大へん忙しそうなのです。
 野は桔梗、女郎花のさきみだれた美しい世界です。その草の葉つぱのかげで
「ギーイコ、バツタリ」
「ギツチヨン。ギツチヨン」
 ある時、そこへ森の方から、とぼとぼと腹這ふばかりに一ぴきの※[#「※」は「虫へん+車」、32-4]があるいてきました。翅などはもうぼろぼろになつて飛べるどころではありません。
 機織蟲をみかけると
「毎日、毎日よくまあ、お稼ぎですこと」と言ひました。
「はい、仲々埒があきません。[#「あきません。」は底本では「あきまん。」と誤記]もう、遠くの山々は雪がふつたつていひますのに」
「まあ! めつきり朝夕が冷くなりましてね」
「あなたは、もう冬の準備は」
「その冬の來ないうちに蟻どののお世話にならなきやなりますまい」
「え、そんなことが……」
「さあ、なければないのが不思議なのです。おやおやお日樣も山がけへ隠れた。ではお早くおしまひになさいまし」
 陸稻畠の畔道を、ごほんごほんと咳入りながら、※[#「※」は「虫へん+車」、33-7]はどこへゆくのでせう。金泥を空にながして彩つた眞夏のその壯麗なる夕照に對してこころゆくまで、銀鈴の聲を振りしぼつて唄ひつづけた獨唱の名手、天飛ぶ鳥も翼をとどめてその耳を傾けた、ああ、これがかの夕日の森に名高く、齢若き閨秀樂師のなれの果であらうとは!
 母娘は顏をみあはせましたが、寂しさうにその何方からも何とも言はず、そして※[#「※」は「虫へん+車」、34-4]のうしろ姿がすつかり見えなくなると、またせつせと側目もふらずに織り出しました。
「ギーイコ、バツタリ」
「ギツチヨン。ギツチヨン」[#「ギツチヨン」」は底本では「ギツチチン」」と誤記]



鸚鵡

 あるところに手(て)くせ[#「くせ」に傍点]の惡(わる)い夫婦(ふうふ)がありました。それでも子(こ)どもがないので、一羽(は)の鸚鵡(あふむ)を子(こ)どものやうに可愛(かあい)がつてをりました。
 鸚鵡(あふむ)が人間(にんげん)の口眞擬(くちまね)をするのは、どなたもよくしつてをります。

誰(だれ)か
「お早(はや)う」といへば、鳥(とり)もまた
「おはやう」と言(い)ひます。
 それから夜(よる)になつて灯(あかり)が點(つ)いて「おやすみなさい」ときくと、おなじやうに
「おやすみなさい」と喋舌(しゃべ)ります。
 ほんとに鸚鵡(あふむ)は愛嬌者(あいきやうもの)です。
 そこの家(いへ)にお客樣(きやくさま)がきました。すると鸚鵡(あふむ)が
「あんたは白瓜(しろうり)一本(ぽん)、それつきり」といひました。お客樣(きやくさま)が
「え」と聽(き)きかへすと
「妾(わたし)はそれでも反物(たんもの)三反(だん)」
 何(なに)が何(なん)だかさつぱり解(わか)りません。そこへお茶(ちや)を持(も)つてでてきたお上(かみ)さんにそのことを話(はな)すと
「ええ、昨晩(ゆうべ)、盗賊(どろぼう)にとられた物(もの)のことを言(ゆ)つてるのでせう」

 お客樣(きやくさま)がかへると
「お前(まえ)は、何(なん)て馬鹿(ばか)だらう。うつかり秘密話(ないしよばなし)もできやしない」と、大(たい)へん叱(しか)られました。鸚鵡(あふむ)は叱(しか)られてどぎまぎしました。多分(たぶん)、口(くち)まねが拙手(へた)なので、だらうとおもひまして、それからと言(い)ふものは滅茶苦茶(めちやくちや)にしやべり續(つゞ)けました。叱(しか)られれば叱(しか)られるほどしやべりました。
「ええ、ゆふべ、泥棒(どろぼう)……何(なん)て馬鹿(ばか)だろ……白瓜(しろうり)一本(ぽん)、反物(たんもの)三だん……うつかり秘密話(ないしよばなし)もできやしない」
 夫婦(ふうふ)は困(こま)つてしまひました。そして、鳥屋(とりや)へもつて行(い)つて賣(う)りました、けれどそれが運(うん)の盡(つ)きでした。その嘴(くち)からの言葉(ことば)で、とうとう二人(ふたり)は捕(つかま)つて、暗(くら)い暗(くら)い牢獄(ろうごく)のなかへ投(な)げこまれました。
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沙发
发表于 2014-8-4 23:56 | 只看该作者
有些称谓有意思。
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